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白峰三山縦走・・・7日目

2009/01/03(Sat)


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樹林帯を下る

午前3時30分、パチッと目が覚める・・・お隣さんよりも早起き。

気になる両手両足の凍傷は今朝も感覚が戻りませんでした・・・。

気を取り直して、いよいよ今本日は下山日。
今回は長かったなぁ~と言うのが今回の遠征の正直な感想です。

色々考えながら、いつものようにシュラフ内でゴソゴソしていると、お隣さんもお目覚めのようなので遠慮なく朝食作りができます・・・お腹空いたなぁ~。早速、ウイスパーライトに火を入れ、凍りついた豚キムチ鍋をストーブの上に乗せましたが、燃料は残りあと僅か・・・ガンバレ!

今日まで「暖」を提供し続けてくれたウイスパーライト、それがポッポッと音を立て、最後の時を迎えようとしているのがとても寂しく感じました・・・今日までありがとう、お疲れ様♪そんな事を思いながら燃料タンクを触ってみると、もう全然入っていなかったので、豚キムチ鍋が温まる前に終わってしまうね・・・と思っていたら、黄色い炎を上げながらも最後の最後まで燃え続けてくれて、ぐつぐつと温まった豚キムチ鍋を提供してくれました。日頃は気まぐれでじゃじゃ馬なウイスパーライトなのですが、両手両足に凍傷を負い、体調も良くないギリギリの状況の中で、そんな弱った持ち主を励ますように燃え続けてくれたその姿に感動し、とても勇気付けられました・・・構造が単純なゆえ、時に心が通い合う事も、僕はあると思います♪

そんなウイスパーライトが提供してくれた豚キムチ鍋をゆっくりと味わっていると、お隣さんは早くも出発していたので、「気を付けて」と見送りました。その後、役目を終えたウイスパーライトに代わり、アルコールバーナーを投入しました。こちらも構造は単純ですが、気温-10℃以下ではプレヒートの儀式を行う必要があり、ちょっとひと手間掛かってしまいます。ですが、プレヒートを終えた後のアルコールバーナーはドーピングでもしたかのように素晴らしい火力を見せてくれ、1リットルの水をあっと言う間にお湯へと変えてくれました!

もちろん、そのお湯を使って、ほうじ茶タイム♪

ほうじ茶を飲みながら後片付けを済ませた後、両手両足の凍傷の具合を見てみる事にしました。まず、インナーグローブを取り外していると、左右の人差し指は白く変色、両小指以外はピリピリとしていましたが、これは時間と共に良くなると思いましたが、問題は両小指、真っ黒に変色しているので、それ相当の覚悟をしなければいけないでしょう。そして、最後に両足ですが、こちらは去年の屋久島でも同じような症状になったので、とりあえずは大丈夫だろうと思っていたのですが、ソックスを脱いでみて、ビックリ、両親指付近と他の指の先端部が紫色に変色していたのです・・・これには、さすがにショックでした(涙)

早く標高を下げ、氷点下の世界から抜け出さないと両足の指も切断しなければならなくなる・・・。

今日は時間との勝負だ・・・そう思い、急いでパッキングをするのですが、思い通りに動かない両手両足では作業はスムーズに進まず、イライラしていると、ふと色んな感情がこみ上げてきました。両手両足を徐々に浸食しながら襲ってくる凍傷への恐怖、年末年始の休みに自分は何をやっているのだろう、決して安くはない旅費を払い、年に1度か2度の貴重な長期休暇を使い、このような姿になる為にここまで来たのではなかろうに、そして、両足は分かりませんが、両小指の切断を免れないだろう、せっかく五体満足に産んでくれた親に申し訳なく思うと、自分がとても情けなく思え、涙が溢れてきました・・・。

その後、自分が弱い事に対して怒ったり、落ち込んだり、喚いたりして取り乱しましたが、全てを吐き出したので徐々に冷静さを取り戻し、どのような姿になっても笑って生きて帰る事が全て・・・と固く誓い、ツライ事や哀しい事などはこの地にデポして、8時27分、池山御池小屋を後にしました(-13℃)

1時間ほど下ると登山道を覆っていた雪もほとんど消え、フル装備の服装のままでは汗ダクダクになるので、ザックを置けそうな場所を探して着替えタイム・・・アウタージャケットと山シャツ、中厚のアンダーシャツなどを脱いで、Tシャツと薄手のアンダーシャツの軽快な服装になってから先を急ぎましたが、登山口までとても長く感じ、迷宮にでも迷い込んだかのように感じました。「まだ着かない」、「まだ着かない」と呪文の如く唱え続けていると、下の方に道路が見え始め、今度は「もうすぐ」、「もうすぐ」と呪文の如く唱え続け、10時12分、暖かい陽射しが注ぐ小春日和の池山吊尾根の登山口に到着(0℃)・・・ふぅ~、これで両足は助かると思ったら嬉しくなったので、ニッコリと記念撮影♪

その後、12km先の奈良田温泉を目指して、林道をドボトボ歩き始めました・・・先は長いなぁ~(汗)

それにしても下界のなんと暖かい事、今までの雪に囲まれた氷点下の世界が夢か幻のように思えるのですが、カラダはキツいのでこれは紛れもなく現実世界なのでしょう(笑)その暖かさのおかげでなのか、両足は登山靴の中でパンパンに腫れ上がっているようで圧迫されて、なんともツライのですが、歩けるだけで良しと思わないといけません。とりあえず、両足の事が気にならないように今回の遠征を振り返りながら歩く事に・・・今回は本当に死神に付きまとわれた遠征だったような気がします。その存在を意識し始めたのは正確にはあの2日目以降からなのですが、その存在を肯定も否定もしないし、今回もその姿かたちを見たわけではないのですが、なんかこう生と死の狭間に居たからなのでしょうか・・・油断するとそのまま向こうの世界に連れて行かれそうな気がしたんです(苦笑)多分、自然という目に見えているようで見えていないものとたった1人で命のやり取りをしないといけなかったので、今思えば、そういう具体的なものに例えて、死への恐怖に打ち勝ちたかったのかもしれません・・・。今こうやって、太陽の暖かな陽射しに包まれていると、その死神の気配も感じなくなり、隧道と呼ばれる幾つかの真っ暗なトンネルを通り過ぎる度に「生の世界」に戻っているような感じがして、暗闇の怖さよりも生への喜びの方が強く、ウキウキしながら歩きました・・・もちろん、後ろを振り向かないように注意して(笑)

そんなこんなで順調に歩いていたのですが、奈良田温泉まであと6km近くになった頃、両足が限界を迎えているようで歩く事がとてもツラくなったので、圧迫している登山靴を脱いで少し休憩してから先を急ぎましたが、500mほど進んでは標識やガードレールに寄りかかって小休憩しないと先に進めませんでした・・・この場に寝転びたいなぁ。それでも一歩一歩、ゆっくりと歩き続けて、ついに奈良田第一発電所近くにあるトンネル、その名も「開運隧道」と呼ばれる、ここを通ればご利益がありそうなトンネル入口に到着。やっとここまで辿り着く事ができたのですが、このトンネルの出口には3mの柵越えという最後の難関が立ちはだかっています。このカラダ、この重荷で無事に乗り越える事ができるだろうか・・・と不安を感じながらもトンネルを進んでいると、柵の向こう側に1台の車が停まり、こちらを覗いたり、写真を撮ったりしていたので、このままでは驚かせてしまうなぁと思いながら歩いていたのですが、やっぱり、少し驚かせてしまったようで申し訳ありません。「柵越しにこの先何があるんですか?」とか「この先行けるんですか?」など質問攻めされました。ひと通り受け答えした後、「今からこの柵を乗り越えます」と言うと、「何かお手伝いしましょうか?」などと有り難いお言葉を頂いたので、カメラと三脚を柵越しに預けてから柵越えを開始。3人のギャラリーにパシャパシャとその勇姿を写真に撮られながら、なんとか無事に柵越え完了・・・ホッ。

最後の難関を越え、初日の出発地点と繋げる事ができて安心したのか、全身の力が抜けて、ヘタッと座り込んでしまいましたが、3人の方々に囲まれて楽しいおしゃべりタイム♪偶然とはあるもので、この中の1人の方は登山が趣味で、おまけに単身赴任で熊本に3年ほど居られ、くじゅうや阿蘇にもよく登られたとの事でした・・・まさか、この地でくじゅう談義(ミヤマキリシマの話)ができるなんて(喜)しばらくの間、楽しい時間を過ごした後、「九州にも遊びに来て下さいね♪」とお伝えして、奈良田温泉を目指して再び歩き始めました・・・が、すぐに先ほどの方が車で横付けされて、「乗っていきませんか?」とスゴく嬉しいお言葉をいただきましたが、「汚れているので・・・」と1度は丁重にお断りさせていただいたものの、「全然問題ないよ」と言っていただき、「ありがとうございます」と奈良田バス停まで乗せていただきました(14時50分到着)・・・カラダが弱っている時ほど人の親切が有り難くて、もう涙が出そうなほど嬉しくて、本当にありがとうございました♪

「気を付けて~」とお見送りした後、事前にリサーチしていた韮崎市内にあるホテルルートインコート韮崎に電話をして、今宵の宿の予約をしました・・・空いていて良かったです。その後、バスの時刻までまだ1時間30分以上あるので、温泉セットと貴重品を持って、バス停から5分ほど歩いた場所にある奈良田の里温泉(営業時間 :午前9時から午後7時まで。冬期は11月1日から3月31日は午後6時)に向かっていると、道中に居られたオジサンに「どこまで登ってきた?」とか「農鳥小屋付近の積雪はどうだった?」などと質問されたのでお答えすると、「オレ、農鳥小屋のオーナー」と言われたので、あっ、あの噂の農鳥小屋の・・・と心の中で思いながらも、自分のところに登山届けを出した登山者の事をとても心配されていたので、人伝に聞く評判とは全然違うなぁと思いながら話を聞いていました。その後、「またおいで」と言っていただいたので、「はい、また来ます♪」とお答えしてから温泉へと向かいました。

坂を登りきると待望の温泉に到着したので、受付で入浴料の500円を支払って、いざ温泉へ・・・。

パパッと衣類を脱いで浴場に向かい、先ずは一週間の旅の垢を念入りに洗い落とした後、湯船へ・・・くぅ~、気持ちイイ♪「もうこれ以上の贅沢はないでしょう」と一人悦に入りながら、他の入浴客の方々とおしゃべりをして楽しくて気持ちの良い時間を過ごしました・・・凍傷の温浴治療もできたので良かったです。

さて、温泉から上がり、バス停まで戻ると、
16時45分発のバスに乗り込んで奈良田を後にしました・・・。

車内は僕1人だったので、運転手さんとおしゃべりをしながら楽しい時間を過ごして、18時14分、身延駅に到着。運賃の1,750円を支払って下車しました。駅に向かうと駅員さんに「甲府行きの電車は何時頃来ますか?」とお尋ねすると、「19時3分までないよ」との事でした。40分ぐらい時間があるなぁと待合室で待機していたら、先ほどの駅員さんが「どこに登ってきたの?」と聞いてこられたので、「白峰三山ですよ」とお答えしたら、この駅員さんも登山が趣味との事だったので、山談義に花を咲かせて楽しい時間を過ごす事ができました・・・甲府駅での乗り継ぎも分かりやすく教えて貰ったのでホッとしました♪

そんなこんなで、あっと言う間に発車時刻・・・仲良くなると別れるのがツラくなるのがネックなのですが、「九州の山も楽しいですよ♪」とオススメしてから乗り込み、ガタンゴトンとゆらり揺られて、5分遅れで甲府駅に20時38分到着・・・乗り換えに2分しかないよ(涙)韮崎行きの乗り換え車両はこの車両のはるか彼方に停車していたので、なんとしても乗り込まねば・・・と気合を入れて、プシューと扉が開いた瞬間から大きなザックを背負って駅のホームを猛ダッシュ、なんとか無事に乗り込む事ができました。同じように走ってこられたご婦人と「間に合って良かったですね~」とニッコリ笑顔で喜びを分かち合いました♪

そんな事もありながら、20時53分、無事に韮崎駅へと到着。切符を渡す際、駅員さんに「ホテルルートインコート韮崎って、どこにありますか?」とお尋ねしてから駅の外へ・・・そろそろ足がツラくなってきたなぁ。さて、とりあえず、教えていただいた通りに歩こうとしていたのですが、すぐに路地裏のちょっと薄暗い場所に出てしまい、このまま進んでもイイのかなぁと悩んでいたら、20代半ばぐらいの青年が「どこかお探しですか?」と聞いてこられたので、「ホテルルートインコート韮崎まで行きたいんですけどね」とお伝えすると、帰宅する方向が一緒なので案内してくださるとの事、遠慮なくお言葉に甘えさせていただく事にしました・・・ラッキー♪聞けば、この青年も学生時代は山岳部だったとの事で会話が弾み、僕の事をよほど気に入っていただけたのか、「なんだったら、うちに泊まりますか?」と嬉しい提案も頂戴したのですが、ホテルも予約していたので丁重にお断りさせていただきました・・・う~ん、残念。そんなこんなでしたが、ホテルの入口まで無事に送っていただき、「ありがとうございました♪」とお礼を言ってお別れしました。

フロントで宿泊料金の6,600円(バイキング朝食付)を支払い、宅急便で荷物を送る為の箱をいただいて部屋に行き、ザック内の荷物を箱に移し変えました・・・半分ぐらいは入ったかなぁ。とりあえず、これで明日の行動は少し楽になるだろうと思い、この箱をフロントに預けた後、「この近くでどこかご飯食べれるお店ありませんか?」とお尋ねすると、「いや、この辺りではありませんね」との返事が・・・美味しい物をいっぱい食べるのをとっても楽しみにしていたのに、ショック、ショーック(涙)「ホントにどこもないんですか?」と更に詰め寄ると、タクシーで5分ほど行けばバーミヤンがあるとの事だったので、仕方が無いのでタクシーに乗り込んで向かう事にしました・・・ホントは地域のお店で食べたかったんだけどなぁ、この際、贅沢は言ってられない(苦笑)

豪華にタクシーでバーミヤンに横付けして店内へ・・・。

先ずは生ビールで乾杯・・・1杯だけお許しを(笑)そして、チャーハンやら北京ダック、海老マヨネーズ、若鶏の甘酢しょうゆ、ホイコーローを飢えた獣のようにガツガツ喰らって食欲を満たし、最後の締めにチョコパフェを堪能した後、行きと同様にタクシーでホテルへと帰りました・・・満腹♪満腹♪

部屋に戻ると睡魔が襲ってきたので、30分ほど仮眠した後、ホテルの1階にある大浴場に入ってサッパリしてから寝ようと思い、浴衣に着替え、ソックスを脱ぐと両足は象足のように腫れ上がっており、患部は水泡が破けてグチュグチュになっていました。とりあえず、お風呂に入ってから消毒しようと大浴場に向かいましたが、さすがに両足を湯船に浸けるのはマズイなぁと思ったので、両足を上げたままお風呂を楽しんでから部屋に戻りました・・・部屋に戻ると、すぐに患部をイソジンで消毒し、血管拡張剤を飲んだ後、破けた水泡から血と汁が出ており、ベッドを汚すといけないので、足下にバスタオルを敷いてから就寝しました・・・最終日に続く。

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池山吊尾根の登山口にて

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林道より

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真っ暗な隧道内

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疲れたぁ~

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開運隧道入口にて

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奈良田の里温泉
 


         

白峰三山縦走・・・6日目

2009/01/02(Fri)


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無事に朝を迎える

午前8時30分過ぎ、外の明るさで目が覚める・・・まっ、眩しい。

とりあえず、なんとか無事に生き残る事ができたようで、ホッとひと安心♪

胸を撫で下ろし、外の様子を伺おうと入口のジッパーを開けて顔を出してみると、あいにくの曇り空でしたが、昨夜の出来事が夢か幻と思えるようにとても静かな朝でした・・・。しばらくの間、放心状態でボ~としていたのですが、意識がしっかりして来ると徐々に生存の喜びが湧いてきて、思わず歓喜を声を上げました♪

それにしても、あのブリザードの中で10時間近くも熟睡していたとは・・・この遠征中で最長の睡眠時間でした(笑)小さい頃から両親に「アンタは家が火事になっても気付かんで寝とるんやろ~ねぇ」と言われ続けて今日まで生きてきましたが、「ごもっとも、さすがは親だなぁ」と思い出し笑いをしながら後片付けを開始しました(笑)幸いな事に今朝は昨日までと比べ、気温-14℃と寒気も緩んでいたので作業も多少はやりやすく思えました。先ずは濡らさないようにシュラフ等を収納した後、着替えを済ませ、テント内で散乱している荷物を全部外に出してから故障などしていないか点検をしてからザックにパッキングしていましたが、相変わらず感覚の鈍い両手での作業はなかなか思うようには進みません。それでも黙々と作業を進めて、テント以外の荷物をパッキングし終えると、あとはテントを撤収するだけ・・・と思っていたら、「あっ」と重大な事に気付きました。昨夜、保温する事ができなかった登山靴がガチガチに凍りついていたんです(涙)この凍りついた登山靴を履けば、間違いなく両足も凍傷になるだろう・・・。ただでさえ両小指の凍傷も更に悪化して黒化が始まり深刻な状態になっているのに今度は両足も凍傷になる可能性が出てくるとは・・・う~ん。

少し考えた後、今の両小指の状態は一刻も早く標高を下げないと壊死してしまう危険な状態だったので、凍った登山靴を履くリスクを承知の上で、テントを撤収した後、池山御池小屋を目指して、11時30分に出発。しばらくすると暖かい陽射しが差し込むようになり、12時23分、ボーコン沢ノ頭に到着する頃には青空も広がり、絶好の登山日和になっていました♪名残を惜しむように北岳を眺めながら、10分ほど休憩してから先を急ぎました・・・さらば北岳、今度はいつ逢えるだろうか。

ここから先は展望の開けない樹林帯に突入するのですが、もう風の心配をしなくて良いと思うと、ホッとひと安心しました。これで軽快に下れると思っていましたが、昨日からほとんど何も食べていない状態ではバテバテで、少し下っては座り込んでしまいます。塩キャラメルを口に放り込んでエネルギーを供給しながら、また歩き出して少しずつ標高を下げてゆくのですが、弱ったカラダにはこの下りが延々と続くかのように思えます。それでも黙々と下り続けて、15時28分、標高2,200m付近にある池山御池小屋に到着(-12℃)

到着してすぐは折れたポールを修理してテント泊をしようと思っていたのですが、これで生き残れる…と思ったら、ドドッと疲れが噴き出したので、明日の事も考えて、今宵は小屋に泊まる事にしました。開きの悪い扉をガラガラ~と開けると、中にはテントが1張りあるだけで、他には誰も居らず、ガラ~ンとしていました。「こんにちわ」と挨拶してザックを下ろし、登山靴を脱ぐと両足の感覚がない…予想通り、凍傷になってしまったかもしれないと不安でしたが、とりあえずは今宵の寝床を作ってから・・・と準備をしていると、お隣さんから話し掛けられたので、今までの苦労話を面白おかしく話して楽しい時間を過ごしました…久しぶりに心の底から笑ったなぁ♪

そんなこんなで寝床が出来上がると、次は夕食の準備開始!今晩が山で最後の夕食になるので、締めはやっぱり豚キムチ鍋で・・・という事で、食材には豚肉、キムチ、コチュジャン、えのき、ぶなしめじ、ニンジン、ニラをご用意!これらを鍋に放り込んでしばらくの間グツグツ煮込むと、冬山では定番メニューになりそうなほど美味しい豚キムチ鍋の出来上がり~♪パクッとひとくち・・・くぅ~、やっぱり美味しすぎるぅ♪お隣さんが居なかったら間違いなく喚起の雄叫びを上げていた事でしょう(笑)小屋内をキムチのニオイで充満させながら美味しくいただいていたのですが、2/3ほど食べたところでお腹いっぱいになったので、残りは朝食に回す事にしました・・・ゴチソウサマでした!食事が終わると無線機でラジオを聴きながら、凍傷が悪化するのでホントは飲むといけないのですが、頑張った自分へのご褒美にちょっとだけ霧島のお湯割りをいただきました・・・美味しい♪

至福の時を過ごした後、痺れたまま感覚が戻らない両手両足を念入りにマッサージして、血管拡張剤とビタミン剤を飲み、明日にはきっと良くなっている事を祈って、20時30分過ぎ、昨夜がハードだったので今夜は早めに就寝しましたが、スリーシーズン用のシュラフでの小屋泊はヒンヤリと肌寒く感じ、なかなか寝付けない夜を過ごしましたが、疲れに勝る寒さではなかったようで、いつの間にか寝ていました・・・7日目に続く。

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倒壊したテント

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北岳バットレスを望む

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歩きやすい吊尾根

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富士山遠望

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ガスかかる間ノ岳

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ボーコン沢ノ頭

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池山御池小屋

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雪に埋もれる御池

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今回の遠征最後のディナー♪
 


         

白峰三山縦走・・・5日目

2009/01/01(Thu)


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間ノ岳山頂付近にて

午前1時27分、携帯のアラームで目が覚める(テント内の気温-26℃)
体調は眠いだけで、ダルさもあまりなく本調子に戻りつつあったので安心しました・・・ホッ。

心配していた凍傷の具合は、両小指は相変わらず紫色の状態で他の指もピリピリしていますが、
とりあえずはちゃんと動いているので大丈夫かな・・・今日の行動で悪化するのは明白ですけどね(苦笑)

さて、今日は元日・・・せっかくなので山頂から初日の出を拝もうと早起きをしたのですが、寒い、寒過ぎてシュラフから出る気力さえ凍りついてしまいそうです・・・外の気温は-30℃近くでしょうか(苦笑)という事で、例のごとく、しばらくの間シュラフ内でダラダラ過ごした後、意を決してシュラフ内の甘い誘惑を振り切ってから飛び出し、ベンチレーターから外の様子を伺うと、「オォ、満天の星空♪」と感動しました・・・この調子で行けば初日の出は間違いなし♪

とりあえず、ウイスパーライトに火を入れて、朝食タイム♪昨晩の残りの鴨鍋はカチンコチンに凍っていましたが、ウイスパーライトの上に乗せると、ジュゥ~と温かい音を立てながら少しずつ解けて、しばらくすると、グツグツとホットな鴨鍋の出来上がり♪パクパク食べ、締めに出雲そばを投入して、年明け蕎麦を堪能しました・・・ホントは年越しに食べたかったんだけどなぁ(苦笑)

食後は再びシュラフ内へと潜り込み、珈琲は血行が悪くなるので、ほうじ茶を飲みながら、ラジオを聴いたりしながら束の間の至福の時を楽しんでいましたが、お腹いっぱいでぽかぽかしてくるとご登場なさるのが睡魔様・・・御来光までにはまだまだ時間があるので、ひと寝入りする事にしました・・・zzz

1時間ほど経った頃、ハッと目が覚め、すぐにベンチレーターから外の様子を伺うと、あれっ、ガスってる・・・ふて腐れて、もう一度、夢の世界へ旅立とうかと思ったのですが、一発逆転もあり得ると思い直して、シュラフ等を片付け、着替えも済ませて、準備万端で迎えた時刻は6時20分過ぎ。入口からチラッと外の様子を伺ったのですが、相変わらずガスったままで御来光は絶望的のようです・・・くぅ~、残念(涙)

このまま待機していても晴れる気配はないので撤収作業を開始する事に・・・昨日までとは違う異質な寒さを感じたので、「これはヤバい」と思い、目出し帽で完全武装してから、いざ外へ・・・。何もしていなくてもキツくなるほどの寒さだったのでテントをパパッと撤収して早く出発しようと思うのですが、寒さでカラダが思うように動かず、焦っても仕方がないので、ゆっくりと確実に作業を進めて、8時45分に間ノ岳山頂を後にしました(-24℃)

山頂はそよ風程度しか吹いていませんでしたが、少し下ると烈風が吹き荒れていて、すぐに目出し帽の鼻と口の部分が凍りついてしまい、とても冷たかったのですが、今の状況で目出し帽を外すのは大変危険なので、ガマン、ガマンと自分に言い聞かせて先を急ぎました。しばらく進むと周囲を覆っていたガスも晴れ始め、陽射しも時折差し込むようになりました。寒いながらも風景が見えるようになると稜線歩きも楽しく、風には細心の注意を払いながら軽快に歩いて、10時28分、中白根山に登頂(-21℃)

目指す北岳までもう少し・・・

ふと凍傷の具合が気になったので両手を動かしてみるのですが、両小指が全く動かない。急いでグローブを外して見てみると、左手の小指は第一関節付近から、右手の小指は第二間接付近までどす黒く変色し始めていました・・・第三度の凍傷かぁ、これはもうダメかもしれない。冬山に登るからには凍傷の事はある程度勉強しているのですが、さすがに自分の指がそういう状態になると、なんとも複雑な気持ちになりますが、ここで焦っても事態が悪化するだけなので、先ずは目の前にそびえる目標を達成しよう・・・と、操作性があまり良くないので敬遠していた三本指のオーバーミトンを装着してから出発。ここから北岳山荘までは下りなので、凛々しくそびえ立つ北岳の雄姿に見惚れながらゆっくりと下って、11時48分、北岳山荘に到着(-14℃)

この辺りまで来ると、そよ風程度の風しか吹いていなかったので、冬季小屋の近くで休憩タイム・・・サミットアタックに備え、カントリーマァムを5個ほど食べてエネルギーを補給した後、この程度の風であれば目出し帽は不要と判断して、ザック内に収納してから出発。なだらかに続く登山道を息を整えながらゆっくりと登り、クサリ場の危険個所を抜けると、12時58分、八本歯ノコルとの分岐地点に到着(-21℃)

いよいよサミットアタック・・・色々あったけど、やっとここまで辿り着く事ができたなぁ。

この分岐地点にザックをデポして、ここから先はカメラ&三脚、テルモス、ピッケルだけの身軽な装備で出発・・・翼が生えたようにカラダが軽い♪ここから山頂まではクサリ場が二カ所ほどあるだけで難所と呼べる場所もなく、意外と楽に登る事ができて、14時7分、ついに白峰三山最後のピークである北岳に登頂・・・うぅ、長かったなぁ(涙)これで展望が良かったら最高だったのですが、無事?にここまで辿り着けただけでも良しとして登頂の喜びを味わいましたが、今日中に八本歯ノ頭を越えておきたいので、名残は惜しいものの、14時25分に山頂を後にしました・・・さらば北岳、また逢う日まで♪

足元に気を付けながら往路をゆっくりと下って、14時58分、ザックをデポしていた分岐地点まで戻ると10分ほど休憩してから出発(-18℃)再び重荷を背負ったら先程まで身軽だった分、より一層ザックの重みを感じながら、予想外にデンジャラスな八本歯ノコルまでのトラバース路を慎重に歩き、雪に埋もれた階段を下りると、16時9分、八本歯ノコルに到着(-22℃)

ここまで来れば、目指す八本歯ノ頭は目と鼻の先なので、ヘッドランプを装着した後、ここから先はハシゴ場とクサリ場があるので油断しないように気合いを入れ直して出発しましたが、ハシゴやクサリが露出していたおかげで、意外と労せずに八本歯ノ頭に立つ事ができましたが、夕暮れも間近なので喜びを噛み締める暇もなく先を急いでいると、風もなく平坦な幕営適地に辿り着いたので、今宵はこの標高2,900m付近にテントを設営する事にしました・・・北岳バットレスの展望もgood♪おまけにパフパフのパウダースノーだったので、その誘惑には勝てず、バタンと倒れ込むと、これがとっても気持ち良い~♪

オッと、遊んでいたら、あっと言う間に夕闇に包まれてしまう・・・と、急いでテントの設営開始!奥まで入り込むのも大変なので、登山道の脇に張らせて貰う事にしました。それにしても、ここはなんと穏やかな場所なんだろうか・・・風も全くと言って良いほど吹いておらず、辺り一面シ~ンと静まり返っているのです。ホントに今日までの強風が夢か幻かと思うほどでした(笑)やっぱり、これまで色々と苦労をした分、最後ぐらいはこんな日があっても良いよね・・・と笑みを浮かべながら、労せずにテントの設営完了。

遠い彼方に甲府盆地の夜景も輝きを増し始めた頃、荷物の搬入も終わり、僕もテント内へ・・・(テント内-21℃)今日はたっぷり時間があるので、人並みに正月らしく、豪華なディナーをいっぱい食べて元気をつけよう・・・と思い、いつものように着替え&テント内の整理を済ませた後、ウイスパーライトに火を入れて、お湯を沸かし、先ずは今冬も頂いた約250メニューの中から人気の10メニューが選ばれた「スープなしあわせ \ぎゅっと/しあわせ!」の美味しいトコだけ集めたスペシャルセットの中から、お気に入りの「たいの味噌汁」を堪能しました・・・毎年ありがとうございます♪

しばらくすると少し風が出てきたようでしたが、そよ風程度なので気にせずに再びお湯を沸かしていると、先程までの穏やかな天候が一変、あっと言う間にテントがぐらつくほどの強風になっていました。それでも今までの強風並みなので、しばらくすれば収まるだろう・・・と気にせずにいたのですが、降雪も伴って風は更に強さを増し、吹き飛ばされんばかりに揺れるテント、今日まで稜線上で耐えてきた風がそよ風に感じるようなほどの猛烈な風・・・悪魔の咆哮とでも名付けましょうか(苦笑)そんな想像を絶するようなブリザードに絶えかねて、風上側のペグが外れてしまったようです。どうしようか、打ち直しに行った方が良いか、それともこのまま待機していた方が良いか、少し悩んだ後、長期戦になる事を考えると、まだ外に出れる内に少しでも万全の状態で迎え撃った方が良いだろうと結論づけて、いざ外へ・・・。

スッ、スゴイ・・・まるでブリザードの中枢に居るように感じる外での作業は困難を極め、すぐに無理だと判断し、テント内に戻ろうとしていたら、突風が吹き、地吹雪で目の前が何も見えなくなったと思ったら、次の瞬間にはテントが横転して飛ばされそうになっていました。積雪1m程度でパウダースノーのこの辺りでは雪洞も掘れないし、稜線上ではこのブリザードを避けられる場所もない・・・このままテントと装備一式をを失えば命はないので、飛ばされないように支えていたら、今度はポールが折れてしまいました。

もうこれ以上は何もできないと判断し、横転したままのテント内へ・・・。

テント内の空間は風に押し潰されて無いに等しかったのですが、風を避けられるだけでも有り難いです。このまま引きずられても登山道の轍にカラダが引っ掛かれば、崖まで飛ばされる事もないと思うのですが、風上の端をカラダで押さえておかないと底に風が回ってしまったら、その生存ラインの先まで飛ばされてしまうので、ちょうど入口付近にあったマットを背中に敷いてから絶対に死守しなければと思い、寝そべりました。

この風の音を聴くと全てを放り投げてこの場から逃げ出したくなるほどの恐怖が襲ってくるのですが、それと同時にワクワク、ドキドキする気持ちも湧いてきました。明日への生存も分からない状況下なので、普通であれば、パニックに陥ると思うのですが、意外と冷静な状態でいる自分にちょっと驚きました・・・新たな自分の発見でしょうか(笑)他にする事もないので色んな事を考えるのですが、この今の牙を剥いた状態こそ、山の真の姿ではないだろうか・・・そして、この状態こそ、自分が心の底で求めていた事であり、この状態を生き抜いてこそ、冬期・白峰三山縦走を達成と言えるのではないだろうか。

どんな状態になろうとも、この山の真の姿に打ち勝って、明日に命を繋げてやる・・・そう決意を新たにし、とりあえず、デッドorアライブの決め手となる濡れからカラダを守る為、上半身を起こさずにシュラフカバーまで何とか手が届かないかな・・・と何度かチャレンジして掴み取る事に成功♪狭い空間内で無事にシュラフカバーを被る事ができ、これで濡れる事はないので、テントが飛ばされない限りは助かるだろう・・・。ホッとしたら睡魔が襲ってきたので、22時過ぎ、少しだけ眠る事にしました・・・zzz

2時間ほど眠ったところで寒さで目が覚めたのですが、相変わらず止む事のない強烈なブリザード・・・天のどこかに穴でも開いたのでしょうか(苦笑)ふと横を見ると、なんと運が良い事にシュラフが転がっている・・・ラッキー♪これで明日まで生き残れる・・・と安堵し、シュラフの中に入った後、このまま起きていても体力を消耗するだけなので、あとは山の神様のお心次第と割り切って、明朝も目が覚めますように・・・と祈りながら、下界の温かい正月を夢に見ながら就寝・・・6日目に続く。

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縦走路からガスかかる北岳を望む

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中央アルプス遠望

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北岳山荘の冬

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北岳山荘より富士山遠望

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お留守番のパートナー

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クサリ場

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ガスに包まれる間ノ岳

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白峰三山制覇♪

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意外とデンジャラスな八本歯ノコルまでのトラバース路

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そびえる八本歯ノ頭
         
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くじゅうの空

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