五竜岳からキレット小屋へ・・・6日目
2010/07/25(Sun)
午前3時7分、寒くて目が覚めたので前室にぶら下げている温度計を見てみると、気温は8℃。今回の遠征ではシュラフを使用しなかったり、使用しても半身を入れるだけの日々だったのですが、今朝は冷え込んだようで寒かったです・・・。とりあえず、お湯を沸かして、ほうじ茶を飲むと、ようやく寒さから逃れる事ができました。その後、徐々に寒さに慣れて大丈夫になったので、本日も五竜岳から先のG4、G5の難所越えが待っているので出発はなるべく早くしたいのですが、小屋泊の方々とトイレが兼用なので混雑に巻き込まれたら、30分近くのロスは間違いないので朝食は割愛し、着替え&テント内の片付け、テントの撤収までパパッと終わらせ、斜面を15分ほど登って、山荘に到着。すでに小屋泊の方々で賑わっていましたが、山荘の朝食は5時以降が多いので、まだ5時前の今だったら空いているはずなので、早速、トイレに駆け込んでみると、案の定、空いていたので、ゆったりと用件を済ませる事ができました(笑)小屋の外に出ると夜が明け始めていたので、目覚めのアクエリアス(500円)を飲みながら夜明けのショーを楽しみましたが、朝焼けしていたのが気になります。キレット小屋に辿り着くまで天候が悪化しないと良いのですが・・・。
剱岳方面
朝日に照らされる剱岳
唐松岳
とりあえず、まずは目の前の難所の通過に集中する事にして、5時26分、いつものようにロキソニンを飲んで小屋前を出発(8℃)今朝は強風が吹き荒れていたので岩場の通過がちょっと心配だなーと思っていたら、すぐに牛首と呼ばれるナイフエッジの岩稜の通過が待ち構えていました。朝からシンドイな~と思いながらもクサリを伝って慎重に通過しました。

牛首をトラバース
コマクサが群生する斜面
その後、赤茶けたザレ場の斜面をコマクサに見惚れて転倒しないように下って、7時2分、最低のコルに到着したので、こちらでホッとひと息ついてから先を急ぎました。この先の白岳への登りは先ほどまでとは変わり、ダケカンバやシラビソが生い茂る中をジグザグに登る登山道だったので、周囲の風景を楽しみながら登って、8時18分、遠見尾根への分岐がある白岳の頂稜に到着。
白岳の頂稜より
こちらから五竜山荘までは目と鼻の先で5分ほどで到着(12℃)早速、受付でカップラーメン(お湯あり:300円)とポカリスエット(500円)を注文して、ズルズル~と美味しくいただきました♪
五竜山荘
最近のお楽しみ♪
さて、お腹も満たされ、エネルギーもチャージされたので気合いを入れ直して、8時38分、五竜岳の頂を目指して出発。最初はそびえる五竜岳などを眺めながら登っていたのですが、登るにつれて段々と傾斜が増し始め、岩ゴロゴロの登山道に変わってきたので滑落しないように足元に注意しながら、G0やG2の大きな岩峰を黒部谷側に巻きながら登って、9時56分、五竜岳(2,814.1m)に登頂(20℃)
ダイナミックな山塊の五竜岳
記念撮影を済ませてから憩われていた5名のグループの方々と談笑しながら周囲の絶景をカメラに収めていたのですが、知らず知らずに崖の方に足を運んでいたみたいで、グループの方に「危ないよ~」と心配されてしまいましたが、見入って足を踏み外してしまうほど素晴らしい眺望なんですよ、五竜岳の山頂は(笑)
ニッコリ♪

山頂から剱岳方面を望む(クリックで拡大)
このグループの方々も今日はキレット小屋にお泊まりとの事なので、小屋で美味しいビールが飲める事を誓い合って、10時16分、名残惜しかったのですが、ロキソニンを飲んで気合を入れ直してから五竜岳山頂をあとにしました。ガレたジグザグの急斜面を落石しないよう慎重に下って、10時46分、最低のコルに到着。こちらから見上げるG4は荒々しく大変そうだなーと思いながらも先を急ぎました。
聳え立つG4の岩峰
慎重に登って、11時20分、G4の岩峰のピークに到着。
せっかくなので、10分ほど展望を楽しんでから先に進みました。
G4
G4の岩峰のピークまであと少し・・・
G4の岩峰のピーク
この先からはクサリ場やハシゴ場があったりして大変でしたが、いつの間にかG5の岩峰のピークは通り過ぎて、12時37分、北尾根ノ頭(2,560m)に到着。展望にも恵まれたので、こちらで10分ほど休憩してから出発。
踏み外し注意!!
ガスが湧き上がる
北尾根ノ頭
天候が持ち直したかのように思えましたが、口ノ沢のコルを通過する頃には再び周囲はガスに包まれてしまい、いよいよ夕立が来るような雰囲気だったので、足早にキレット小屋を目指しました。三段登りの岩峰を乗り越え、二段のクサリ場もクリアーして、1つ目の岩峰を回り込み、2つ目の岩峰を回り込むと、「オォ~、キレット小屋」と笑顔になりつつも最後まで気を抜かずに進んで、14時30分、無事にキレット小屋へ到着。
二段のクサリ場
岩峰を回り込むと・・・
キレット小屋発見!!
無事に到着♪
こちらにはテント場がなく、今宵は小屋泊なので宿泊(素泊まり:6,400円)の手続きを済ませ、部屋に移動しようと登山靴を脱いでいると、僕の大きなザックを見られた方々から「どこから来たの?」と聞かれたので、「日本海の親不知海岸から登って来ました」と言ったら、皆さん驚かれ、そして、褒めて下さいました♪さて、こちらのキレット小屋、大変な場所に建っているのに室内はとってもキレイで、敷布団から毛布、枕まで準備されています。飲料水も宿泊者には無料で提供されるし、自炊室や乾燥室も完備、生ビールはありませんが、キ~ンと冷えた缶ビールもあるので、急峻の岩場で出逢った桃源郷のようです♪
キレット小屋内
部屋に行くと、先ほど褒めて下さった方々が目の前に居られたのでご挨拶をしてから自分の場所に腰を下ろしました・・・ふぅ~。それから着替えや荷物の整理をしていくのですが、動作の一つ一つに周囲の視線を感じるので、ちょっと緊張しました(笑)靴擦れの治療まで終えたのですが、膿みが出始めており、このまま放置していたら破傷風にならないか、ちょっと心配なので、今夜から抗生物質も飲む事にしました。抗生物質は3錠あるので、今夜から毎夜飲み続けても下山日まで足りるのですが、痛み止めのロキソニンも残り3錠なので、明日以降は朝昼で飲んでいたのを朝だけに減らさないといけません・・・。
さてさて、明日の準備も終えたので、おつまみセットを持って自炊室に行き、窓から外の様子を伺ってみると小雨がパラパラ降っているようで、明日の八峰キレット越えがいささか心配でしたが、自炊室では五竜岳の山頂でお会いしたグループの方々と1組のご夫妻が晩酌タイムを楽しまれていたので、僕もビールを片手に仲間に入れて貰いました♪
今日は豪華にまぐろのチーズフランク♪
「もうすぐ子供が生まれるんですよ」と言ったら、
ご夫妻からは出産祝いに缶ビールをおごって頂きました・・・ありがとうございます♪
しばらくすると皆さんは夕食に行かれたので、僕も夕食の準備をする事に・・・今宵はボロネーゼパスタと『スープなしあわせ ぎゅっとしあわせ2009』から『柚子仕立ての和風とろみスープ』を作って美味しくいただきました。
パルメザンチーズが味の決め手
夕食後、珈琲を淹れていたら、先ほどのグループのリーダーの方が来られたので珈琲をご馳走したら、お礼にと、オールレーズンやパン、オニオンスープなど、たくさんの食料を頂きました・・・わらしべ長者の気分ですが、ありがとうございますぅ~♪
そんなこんなで楽しい時間を過ごしてから部屋に戻り、19時30分、早々と就寝・・・6日目に続く。
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