スポンサーサイト

--/--/--(--)


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
         

白峰三山縦走・・・7日目

2009/01/03(Sat)


_MG_1882.jpg
樹林帯を下る

午前3時30分、パチッと目が覚める・・・お隣さんよりも早起き。

気になる両手両足の凍傷は今朝も感覚が戻りませんでした・・・。

気を取り直して、いよいよ今本日は下山日。
今回は長かったなぁ~と言うのが今回の遠征の正直な感想です。

色々考えながら、いつものようにシュラフ内でゴソゴソしていると、お隣さんもお目覚めのようなので遠慮なく朝食作りができます・・・お腹空いたなぁ~。早速、ウイスパーライトに火を入れ、凍りついた豚キムチ鍋をストーブの上に乗せましたが、燃料は残りあと僅か・・・ガンバレ!

今日まで「暖」を提供し続けてくれたウイスパーライト、それがポッポッと音を立て、最後の時を迎えようとしているのがとても寂しく感じました・・・今日までありがとう、お疲れ様♪そんな事を思いながら燃料タンクを触ってみると、もう全然入っていなかったので、豚キムチ鍋が温まる前に終わってしまうね・・・と思っていたら、黄色い炎を上げながらも最後の最後まで燃え続けてくれて、ぐつぐつと温まった豚キムチ鍋を提供してくれました。日頃は気まぐれでじゃじゃ馬なウイスパーライトなのですが、両手両足に凍傷を負い、体調も良くないギリギリの状況の中で、そんな弱った持ち主を励ますように燃え続けてくれたその姿に感動し、とても勇気付けられました・・・構造が単純なゆえ、時に心が通い合う事も、僕はあると思います♪

そんなウイスパーライトが提供してくれた豚キムチ鍋をゆっくりと味わっていると、お隣さんは早くも出発していたので、「気を付けて」と見送りました。その後、役目を終えたウイスパーライトに代わり、アルコールバーナーを投入しました。こちらも構造は単純ですが、気温-10℃以下ではプレヒートの儀式を行う必要があり、ちょっとひと手間掛かってしまいます。ですが、プレヒートを終えた後のアルコールバーナーはドーピングでもしたかのように素晴らしい火力を見せてくれ、1リットルの水をあっと言う間にお湯へと変えてくれました!

もちろん、そのお湯を使って、ほうじ茶タイム♪

ほうじ茶を飲みながら後片付けを済ませた後、両手両足の凍傷の具合を見てみる事にしました。まず、インナーグローブを取り外していると、左右の人差し指は白く変色、両小指以外はピリピリとしていましたが、これは時間と共に良くなると思いましたが、問題は両小指、真っ黒に変色しているので、それ相当の覚悟をしなければいけないでしょう。そして、最後に両足ですが、こちらは去年の屋久島でも同じような症状になったので、とりあえずは大丈夫だろうと思っていたのですが、ソックスを脱いでみて、ビックリ、両親指付近と他の指の先端部が紫色に変色していたのです・・・これには、さすがにショックでした(涙)

早く標高を下げ、氷点下の世界から抜け出さないと両足の指も切断しなければならなくなる・・・。

今日は時間との勝負だ・・・そう思い、急いでパッキングをするのですが、思い通りに動かない両手両足では作業はスムーズに進まず、イライラしていると、ふと色んな感情がこみ上げてきました。両手両足を徐々に浸食しながら襲ってくる凍傷への恐怖、年末年始の休みに自分は何をやっているのだろう、決して安くはない旅費を払い、年に1度か2度の貴重な長期休暇を使い、このような姿になる為にここまで来たのではなかろうに、そして、両足は分かりませんが、両小指の切断を免れないだろう、せっかく五体満足に産んでくれた親に申し訳なく思うと、自分がとても情けなく思え、涙が溢れてきました・・・。

その後、自分が弱い事に対して怒ったり、落ち込んだり、喚いたりして取り乱しましたが、全てを吐き出したので徐々に冷静さを取り戻し、どのような姿になっても笑って生きて帰る事が全て・・・と固く誓い、ツライ事や哀しい事などはこの地にデポして、8時27分、池山御池小屋を後にしました(-13℃)

1時間ほど下ると登山道を覆っていた雪もほとんど消え、フル装備の服装のままでは汗ダクダクになるので、ザックを置けそうな場所を探して着替えタイム・・・アウタージャケットと山シャツ、中厚のアンダーシャツなどを脱いで、Tシャツと薄手のアンダーシャツの軽快な服装になってから先を急ぎましたが、登山口までとても長く感じ、迷宮にでも迷い込んだかのように感じました。「まだ着かない」、「まだ着かない」と呪文の如く唱え続けていると、下の方に道路が見え始め、今度は「もうすぐ」、「もうすぐ」と呪文の如く唱え続け、10時12分、暖かい陽射しが注ぐ小春日和の池山吊尾根の登山口に到着(0℃)・・・ふぅ~、これで両足は助かると思ったら嬉しくなったので、ニッコリと記念撮影♪

その後、12km先の奈良田温泉を目指して、林道をドボトボ歩き始めました・・・先は長いなぁ~(汗)

それにしても下界のなんと暖かい事、今までの雪に囲まれた氷点下の世界が夢か幻のように思えるのですが、カラダはキツいのでこれは紛れもなく現実世界なのでしょう(笑)その暖かさのおかげでなのか、両足は登山靴の中でパンパンに腫れ上がっているようで圧迫されて、なんともツライのですが、歩けるだけで良しと思わないといけません。とりあえず、両足の事が気にならないように今回の遠征を振り返りながら歩く事に・・・今回は本当に死神に付きまとわれた遠征だったような気がします。その存在を意識し始めたのは正確にはあの2日目以降からなのですが、その存在を肯定も否定もしないし、今回もその姿かたちを見たわけではないのですが、なんかこう生と死の狭間に居たからなのでしょうか・・・油断するとそのまま向こうの世界に連れて行かれそうな気がしたんです(苦笑)多分、自然という目に見えているようで見えていないものとたった1人で命のやり取りをしないといけなかったので、今思えば、そういう具体的なものに例えて、死への恐怖に打ち勝ちたかったのかもしれません・・・。今こうやって、太陽の暖かな陽射しに包まれていると、その死神の気配も感じなくなり、隧道と呼ばれる幾つかの真っ暗なトンネルを通り過ぎる度に「生の世界」に戻っているような感じがして、暗闇の怖さよりも生への喜びの方が強く、ウキウキしながら歩きました・・・もちろん、後ろを振り向かないように注意して(笑)

そんなこんなで順調に歩いていたのですが、奈良田温泉まであと6km近くになった頃、両足が限界を迎えているようで歩く事がとてもツラくなったので、圧迫している登山靴を脱いで少し休憩してから先を急ぎましたが、500mほど進んでは標識やガードレールに寄りかかって小休憩しないと先に進めませんでした・・・この場に寝転びたいなぁ。それでも一歩一歩、ゆっくりと歩き続けて、ついに奈良田第一発電所近くにあるトンネル、その名も「開運隧道」と呼ばれる、ここを通ればご利益がありそうなトンネル入口に到着。やっとここまで辿り着く事ができたのですが、このトンネルの出口には3mの柵越えという最後の難関が立ちはだかっています。このカラダ、この重荷で無事に乗り越える事ができるだろうか・・・と不安を感じながらもトンネルを進んでいると、柵の向こう側に1台の車が停まり、こちらを覗いたり、写真を撮ったりしていたので、このままでは驚かせてしまうなぁと思いながら歩いていたのですが、やっぱり、少し驚かせてしまったようで申し訳ありません。「柵越しにこの先何があるんですか?」とか「この先行けるんですか?」など質問攻めされました。ひと通り受け答えした後、「今からこの柵を乗り越えます」と言うと、「何かお手伝いしましょうか?」などと有り難いお言葉を頂いたので、カメラと三脚を柵越しに預けてから柵越えを開始。3人のギャラリーにパシャパシャとその勇姿を写真に撮られながら、なんとか無事に柵越え完了・・・ホッ。

最後の難関を越え、初日の出発地点と繋げる事ができて安心したのか、全身の力が抜けて、ヘタッと座り込んでしまいましたが、3人の方々に囲まれて楽しいおしゃべりタイム♪偶然とはあるもので、この中の1人の方は登山が趣味で、おまけに単身赴任で熊本に3年ほど居られ、くじゅうや阿蘇にもよく登られたとの事でした・・・まさか、この地でくじゅう談義(ミヤマキリシマの話)ができるなんて(喜)しばらくの間、楽しい時間を過ごした後、「九州にも遊びに来て下さいね♪」とお伝えして、奈良田温泉を目指して再び歩き始めました・・・が、すぐに先ほどの方が車で横付けされて、「乗っていきませんか?」とスゴく嬉しいお言葉をいただきましたが、「汚れているので・・・」と1度は丁重にお断りさせていただいたものの、「全然問題ないよ」と言っていただき、「ありがとうございます」と奈良田バス停まで乗せていただきました(14時50分到着)・・・カラダが弱っている時ほど人の親切が有り難くて、もう涙が出そうなほど嬉しくて、本当にありがとうございました♪

「気を付けて~」とお見送りした後、事前にリサーチしていた韮崎市内にあるホテルルートインコート韮崎に電話をして、今宵の宿の予約をしました・・・空いていて良かったです。その後、バスの時刻までまだ1時間30分以上あるので、温泉セットと貴重品を持って、バス停から5分ほど歩いた場所にある奈良田の里温泉(営業時間 :午前9時から午後7時まで。冬期は11月1日から3月31日は午後6時)に向かっていると、道中に居られたオジサンに「どこまで登ってきた?」とか「農鳥小屋付近の積雪はどうだった?」などと質問されたのでお答えすると、「オレ、農鳥小屋のオーナー」と言われたので、あっ、あの噂の農鳥小屋の・・・と心の中で思いながらも、自分のところに登山届けを出した登山者の事をとても心配されていたので、人伝に聞く評判とは全然違うなぁと思いながら話を聞いていました。その後、「またおいで」と言っていただいたので、「はい、また来ます♪」とお答えしてから温泉へと向かいました。

坂を登りきると待望の温泉に到着したので、受付で入浴料の500円を支払って、いざ温泉へ・・・。

パパッと衣類を脱いで浴場に向かい、先ずは一週間の旅の垢を念入りに洗い落とした後、湯船へ・・・くぅ~、気持ちイイ♪「もうこれ以上の贅沢はないでしょう」と一人悦に入りながら、他の入浴客の方々とおしゃべりをして楽しくて気持ちの良い時間を過ごしました・・・凍傷の温浴治療もできたので良かったです。

さて、温泉から上がり、バス停まで戻ると、
16時45分発のバスに乗り込んで奈良田を後にしました・・・。

車内は僕1人だったので、運転手さんとおしゃべりをしながら楽しい時間を過ごして、18時14分、身延駅に到着。運賃の1,750円を支払って下車しました。駅に向かうと駅員さんに「甲府行きの電車は何時頃来ますか?」とお尋ねすると、「19時3分までないよ」との事でした。40分ぐらい時間があるなぁと待合室で待機していたら、先ほどの駅員さんが「どこに登ってきたの?」と聞いてこられたので、「白峰三山ですよ」とお答えしたら、この駅員さんも登山が趣味との事だったので、山談義に花を咲かせて楽しい時間を過ごす事ができました・・・甲府駅での乗り継ぎも分かりやすく教えて貰ったのでホッとしました♪

そんなこんなで、あっと言う間に発車時刻・・・仲良くなると別れるのがツラくなるのがネックなのですが、「九州の山も楽しいですよ♪」とオススメしてから乗り込み、ガタンゴトンとゆらり揺られて、5分遅れで甲府駅に20時38分到着・・・乗り換えに2分しかないよ(涙)韮崎行きの乗り換え車両はこの車両のはるか彼方に停車していたので、なんとしても乗り込まねば・・・と気合を入れて、プシューと扉が開いた瞬間から大きなザックを背負って駅のホームを猛ダッシュ、なんとか無事に乗り込む事ができました。同じように走ってこられたご婦人と「間に合って良かったですね~」とニッコリ笑顔で喜びを分かち合いました♪

そんな事もありながら、20時53分、無事に韮崎駅へと到着。切符を渡す際、駅員さんに「ホテルルートインコート韮崎って、どこにありますか?」とお尋ねしてから駅の外へ・・・そろそろ足がツラくなってきたなぁ。さて、とりあえず、教えていただいた通りに歩こうとしていたのですが、すぐに路地裏のちょっと薄暗い場所に出てしまい、このまま進んでもイイのかなぁと悩んでいたら、20代半ばぐらいの青年が「どこかお探しですか?」と聞いてこられたので、「ホテルルートインコート韮崎まで行きたいんですけどね」とお伝えすると、帰宅する方向が一緒なので案内してくださるとの事、遠慮なくお言葉に甘えさせていただく事にしました・・・ラッキー♪聞けば、この青年も学生時代は山岳部だったとの事で会話が弾み、僕の事をよほど気に入っていただけたのか、「なんだったら、うちに泊まりますか?」と嬉しい提案も頂戴したのですが、ホテルも予約していたので丁重にお断りさせていただきました・・・う~ん、残念。そんなこんなでしたが、ホテルの入口まで無事に送っていただき、「ありがとうございました♪」とお礼を言ってお別れしました。

フロントで宿泊料金の6,600円(バイキング朝食付)を支払い、宅急便で荷物を送る為の箱をいただいて部屋に行き、ザック内の荷物を箱に移し変えました・・・半分ぐらいは入ったかなぁ。とりあえず、これで明日の行動は少し楽になるだろうと思い、この箱をフロントに預けた後、「この近くでどこかご飯食べれるお店ありませんか?」とお尋ねすると、「いや、この辺りではありませんね」との返事が・・・美味しい物をいっぱい食べるのをとっても楽しみにしていたのに、ショック、ショーック(涙)「ホントにどこもないんですか?」と更に詰め寄ると、タクシーで5分ほど行けばバーミヤンがあるとの事だったので、仕方が無いのでタクシーに乗り込んで向かう事にしました・・・ホントは地域のお店で食べたかったんだけどなぁ、この際、贅沢は言ってられない(苦笑)

豪華にタクシーでバーミヤンに横付けして店内へ・・・。

先ずは生ビールで乾杯・・・1杯だけお許しを(笑)そして、チャーハンやら北京ダック、海老マヨネーズ、若鶏の甘酢しょうゆ、ホイコーローを飢えた獣のようにガツガツ喰らって食欲を満たし、最後の締めにチョコパフェを堪能した後、行きと同様にタクシーでホテルへと帰りました・・・満腹♪満腹♪

部屋に戻ると睡魔が襲ってきたので、30分ほど仮眠した後、ホテルの1階にある大浴場に入ってサッパリしてから寝ようと思い、浴衣に着替え、ソックスを脱ぐと両足は象足のように腫れ上がっており、患部は水泡が破けてグチュグチュになっていました。とりあえず、お風呂に入ってから消毒しようと大浴場に向かいましたが、さすがに両足を湯船に浸けるのはマズイなぁと思ったので、両足を上げたままお風呂を楽しんでから部屋に戻りました・・・部屋に戻ると、すぐに患部をイソジンで消毒し、血管拡張剤を飲んだ後、破けた水泡から血と汁が出ており、ベッドを汚すといけないので、足下にバスタオルを敷いてから就寝しました・・・最終日に続く。

_MG_1885.jpg
池山吊尾根の登山口にて

_MG_1887.jpg
林道より

_MG_1891.jpg
真っ暗な隧道内

_MG_1893.jpg
疲れたぁ~

_MG_1896.jpg
開運隧道入口にて

_MG_1899.jpg
奈良田の里温泉
 


         
Calendar
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
New diary
Archive
Category
Search in the blog
くじゅうの空

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Web PhotoGallery


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Cafe@Master

かふぇ@マスター

matsuzaki


QR
Favorite store
さかいや・オンラインショップ
アイシーアイ石井スポーツ
好日山荘Webショップ
山渓オンラインショップ
アウトドアーズvic2
ロッジ楽天市場店
アシーズブリッジ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
Advertisement

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。