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剣ヶ峰を目指して・・・3日目

2009/05/05(Tue)


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富士市内の夜景

午前2時46分、何度目かの携帯のアラームで目が覚める・・・眠たいなぁー(テント内の気温-5℃)

外は小雨が降っているようで、テントを撫でるように落ちる雨音を聴きながら、しばらくの間、ボ~と過ごした後、外の様子を伺おうと入り口を開けると、小雨が降っているにも関わらず、富士市内の夜景を望む事ができたので、パシャリと撮影タイム♪その後、テント内に戻り、携帯で天気予報をチェック・・・やっぱり、下界は今日明日共に雨で、山頂部は雪マークが付いていました。上は吹雪だな・・・そう確信し、アルファ米にお湯を注いで戻るまでの間、オリジナルチャイでホットなひとときを過ごしました。10分ほどで戻ると、これにクリームシチューをトッピングしていただきました・・・僕はコーンシチューの方が好きかな。

その後、後片付け等々を済ませ、凍傷を負った箇所の冷え性対策の為、両手足に足用カイロを貼り付け、お医者さんに1日6錠までと言われた血管拡張剤を2錠服用し、防寒対策は万全にして、いざテント外へ・・・。テントを手早く撤収し、6時10分、富士山の最高所である剣ヶ峰(標高3,776m)を目指して新六合目(標高2,500m)を出発(-3℃)

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宝永山も雪化粧
 
運が良い事に先ほどまで降り続いていた雨は止み、ちょっと安心しながらも、また今すぐにでも降ってきそうな雰囲気だったので、この隙に少しでも上に進んで行こうと思い、少しペースを上げて先を急ぎました。無雪期時はジグザグに登る登山道も積雪期はトレースが真っ直ぐ上に続いているので、かなりキツいのですが、その代わり、短距離で標高を稼ぐ事ができるのは嬉しいです。それに適度にクラストした雪面はアイゼンがよく効いて登りやすく、ハァハァと息を切らせながらも順調に標高を稼いで、8時59分、標高3,058m付近に到着(-4℃)この頃になると雪が降り始め、残っているトレースが消える可能性がありましたが、基本的に真っ直ぐ登ると良いので、気合いを入れ直してから出発しました。

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久しぶりの雪♪

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標高3,058m付近から往路を見下ろす

ですが、すぐに吹雪となり、強風と降雪に耐えながらの登りはキツく、100m上がってはひと休みを繰り返しながらも黙々と登り続け、14時15分、やっと、富士宮口登山口の山頂である浅間大社奥宮(標高3,720m)に到着(-7℃)今日の雪は湿っているので、カラダやザックに付着すると、そのまま凍りつくので非常に厄介です・・・雪男の誕生です(苦笑)グローブや登山靴も内部まで濡れ始めましたが、今回はウールのグローブを中間に装着しているので、あまり冷たく感じません・・・さすがは天然素材です♪足の方はジンジン痛むのですが、まだ我慢できるので、とりあえずは大丈夫そうです。

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雪に埋もれる九合目の鳥居

氷化した標高3,670m付近

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宮口登山口最高所へ・・・

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雪に埋もれた浅間大社奥宮

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お店も雪の中


さすがは大荒れの時の標高3,700mオーバー、厳冬期を彷彿とさせるようなメガトン級の烈風が吹き荒れていました・・・スッ、スゴイ。おまけにホワイトアウト状態で数十㎝先も見えず 、もちろんトレースや目印も無いのか消えてしまったのか、全く見当たりません。仕方がないので、GPSに夏道をルートナビさせながら慎重に進む事にしました・・・が、目の前の雪壁に気付かずにぶつかって雪まみれに(苦笑)

その後もあちらこちらを動き回って、ようやく富士山の最高所へと続く斜面を発見!


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この斜面を登り切れば、ついに、ついに・・・。強風に耐えながら、1歩、1歩、ゆっくり、ゆっくりと歩き、少しずつ山頂が近づいて来ると、再び雪峰のピークに立つ事ができる喜びで目頭が熱くなり始め、それでも最後まで気を抜かずに斜面を登り切って、15時24分、日本最高所の剣ヶ峰(標高3,776m)に登頂&日本一の標高差を制覇する事ができましたが、気温-10℃の中、お祝いに猛吹雪の歓迎を受け、立っているのもツラいのですが、それでも、スッゴく嬉しいです♪♪

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富士山測候所


日本一高~い鯉のぼ~り♪

あの手この手を使い、何とか無事に記念撮影を終える事ができました。さて、本来ならば、強風時のお鉢巡りは避けるべきなのですが、山梨県側の吉田口へと下山するには必ず通らなければならないので、GPSに夏道をルートナビさせながら、慎重に進む事にして、15時50分、剣ヶ峰に別れを告げました・・・さらば、また逢う日まで♪

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ヤッター♪♪

さぁー、これからが大変、視界ゼロに等しいホワイトアウトの中、強風に耐えながら、ルートを探して進まなければいけません。突風には細心の注意を払いながら尾根を歩き、しばらく進むと、目の前に立ちはだかるはまさに風の壁・・・さすがに突破する事は無謀と判断し、斜面に沿いながらトラバースし、膝上までのラッセルに励んで、17時13分、吉田口の下降地点である浅間大社奥宮久須志神社(標高3,720m)に到着。確実に現在地が分かる場所に辿り着く事ができて、ホッとする事ができましたが、今宵の宿泊地である吉田小屋(標高2,300m)まで、まだ標高差1,420mあるので、休憩はお預けで、急いで下り始めました・・・凍りついたザックが重い(苦笑)

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烈風吹き荒れるお鉢巡りコース

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浅間大社奥宮久須志神社

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下山ルート

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最高所の狛犬は大変です

これからは下るだけなので、タタッと行けそうなのですが、今日は朝食後、塩熱飴Sportsを5~6個とこんぺいとうを数個しか口に入れていなかったので、シャリバテで足に力が入らず、何度も転倒しながらジグザグ道を真っ直ぐ下り、標高3,400m付近まで下って来ると周囲も暗くなり始め、そろそろヘッドランプを用意しておいた方が良いかなと思ったのですが、少しでも早く標高を下げたかったので、真っ直ぐ、真っ直ぐに下って、標高3,300m付近で、「あっ、しまった」とルートを間違えた事に気付きました。真っ直ぐと思い込んでいたのですが、先ほどの標高3,400m付近から左に曲がらないといけなかったんです・・・間違ってから「そうだったんだよね~」と思い出しましたが、後の祭り(苦笑)でも、間違えたと言えども、無雪期時の下山専用の登山道なので、このまま下っても大丈夫だと判断し、緊急避難所の石室もあったと思うので、今宵はその辺りでビバークする事にして、血管拡張剤を2錠服用し、ホワイトアウト&ブラックアウトの最悪のコンディションの中、18時35分、ヘッドランプの灯りとGPSを頼りに出発。ですが、右に行ったら良いのか、左に行ったら良いのかが全く分からず、とりあえず、GPSのルートではジグザグになっていたので、真っ直ぐ下っていたらそのうち合流するだろう・・・と思って下っていたのですが、全然合流する気配はなく、GPSを見ると、むしろ遠ざかっているような気がしました。これではダメだと立ち止まり、今まで歩き回って得た情報を基に平面な地図を頭の中で立体化し、この付近の地形などを予想して、だいたいのルートを把握してから再出発。

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標高3,464m付近にある山小屋

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夕闇が迫る標高3,400m付近

その予想は見事に当たり、夏道に近づき始めたので安心しましたが、傾斜80度ぐらいの軟雪の斜面をトラバースしていた時、突然、足元が崩れて滑落し、漆黒の闇が続く奈落の底へ・・・。すぐにピッケルを何度も打ち付けて止めようとするのですが、雪が柔らかくて思うように止まりません。そのうち、スピードも加速し始め、これはさすがにヤバイと思い、今度はシャフトを雪面に突き刺し、1度では無理、2度目でも無理、他に手が無いので諦めずに3度目で、スローモーションのように速度が低下し、停止させる事に成功しました・・・ホッ。数十mは滑落したと思いますが、GPSで現在地を確認すると、このままトラバースして行くと夏道に合流できそうだったので、気を取り直して先を急ぎました。何も見えないおかげで、次の1歩も崩れ去るかもしれないという恐怖もなく、石橋を何度も叩きながら渡るような気持ちで軟雪の斜面のトラバースを続けていると、再び足元が崩れて滑落・・・。今度は加速し始めるのが早かったのですが、先ほどと同様にシャフトを雪面に突き刺し、10mほど滑った付近で停止させる事に成功しました・・・(汗)

その後も細心の注意を払いながらトラバースを続け、20時1分、無事に登山道と合流する事ができ、辛うじて残っている夏道の痕跡を見失わないように下って、20時12分、緊急避難所の石室に到着(標高2,914m)もちろん、石室は雪に埋もれて使用不可なので、どうせ誰も来る事はないだろうと思い、登山道にテントを設営する事にしました。ピッケルをスコップ代わりにパパッと整地を済ませ、強風に邪魔されながらもスノーアンカーの手助けで、テントの設営も無事に完了。

凍り付いたままのザックをテント内に入れた後、飲料用の雪をビニール袋に詰め込んでから、自分も登山靴を履いたままでテント内に逃げ込みました。すぐにザックからストームクッカーを取り出して、雪を溶かしながら温まりました・・・ふぅ~、疲れたー。

しばらくの間、ボ~と休憩してからマットを敷いて登山靴を脱ぎ、ダウンベスト&パンツに着替え、やっとひと息つく事ができ、夕食タイム・・・残っているキャベツ、ニンジン、ベーコンで今宵はラーメンを作りましたが、1/3ほど食べたところで、疲労が原因なのか、胃が受け付けずに戻しそうになったので、これ以上は食べないようにしました。ですが、何か食べないと元気も出ないので、食後のデザートに白桃を食べてから夕食タイムを終了しました。

その後、登頂のお祝いにオリジナル焼酎のお湯割りを1杯だけ飲んで、ささやかな祝杯としました・・・柑橘系の味わいに非常に癒されますぅ♪そんなこんなで楽しい?時間を過ごした後、携帯で天気予報を確認すると、明日も山頂部は雪マーク、下界は雨マークにガッカリしながらも、明日の下山後の楽しみを夢に見ながら就寝・・・4日目に続く。
         
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